ハインリヒ・フォン・クライスト「チリの地震」
十八世紀から十九世紀にかけて三十四年の短い歳月を生きたドイツの人の短編集です。
やや古めかしくはありますが、奇妙な味の短編好きのかたなら一読して損はない。
表題作の「チリの地震」など悲劇的な因縁譚が中心で、ぼくは芥川龍之介やディーノ・ブッツァーティを
連想しました。
巻末の「マリオネット芝居について」はボルヘスを思わせる哲学小説。面白いです。
何かがかかっているにしても
この命がかかっているだけ
ただそれだけ
人は自由に生きていいし
現に自由に生きている
そのことがだいぶ分ってきた
いつもいつでもいつまでも
ぼくは
こんなふうにいきるんだね